介護コラム
毎日新聞のWebサイト「介護福祉.com」で掲載した『毎日介護コラム』全9回
人生を素敵に生きるために~介護問題をどう考えますか?~第8回 「年はとっても気は若く!」
まだまだ若い気持ちでいても、確実に年はとっているということに気がつかされることがあります。特に女の人は、「もう年だから」とか「若くないから」という言葉で引っ込み思案になったりしてしまうことが少なくないようです。
でも、年をとるのは誰にでも平等に訪れることですし、年をとったからといって家に閉じこもっていては老け込むばかりです。うちのバアバは90歳になりますが、確かに足腰は弱くなりましたが、気持ちはまだまだ年寄りになっていません。以前寝たきりになりそうになったこともあるので、市でやっているお年寄りを対象とした運動教室にいかせたところ、「なんだかお年寄りばっかだったよ」なんて、まるで自分は年寄りじゃないつもりです。
最近は老人会にも出るようになりましたが、以前は「私はまだ老人じゃないからいかない」と言っていましたし、とにかく気が若いんです。でも、この気が若いということがお年寄りにとって大事なことだと思います。高齢化社会を迎え、平均寿命もぐーんと伸びて、日本は長寿国といわれています。どんなに寿命が伸びてもやはり元気に過ごせなければ、つらいのは本人をはじめまわりの家族です。私は仕事でいろいろな町や村におじゃましていますが、高齢でもはつらつとして、畑仕事をしたりしているお年寄りの方にお会いすると、たいがい皆さん気が若いんです。
<気が若い=元気>という図式が絶対にあると私は思っています。それではどうやったら気を若くすることが出来るのか!それはまず第一におしゃれをすることです。海外に行くとショッキングピンクや水色などの、鮮やかで若々しい色の洋服を着たおしゃれなお年寄りをたくさん見かけます。
しかし日本のお年寄りの服装は、茶色やくすんだ感じの色合いが多く地味です。日本の場合、特に旦那さんが「お前いい年してそんな色の服みっともない」なんていうようですが、年をとったらどんどん明るい色の洋服を着たほうが、顔も明るく映るし、気分も若々しくなれます。また、「どこかに出かけてみようかしら」という気持ちにもなれます。
洋服の次はお化粧です。うちのバアバは朝起きても、きちんとお化粧をしてからでないと朝ご飯を食べません。お化粧はバアバにとってはなくてはならないものなのです。痴呆のリハビリでもお年寄りにお化粧をしてあげる方法があるように、おしゃれのパワーは底知れません。お年寄りにはどんどんおしゃれをさせてあげて、気を若くすることが長生きのポイントじゃないでしょうか。